Proxy?プロキシ?プロクシ?それとも?
実はいろいろな呼び方をされるProxyですが、本来の役割をわかっていて使っている方は意外に少ないかもしれません。
「個人が特定されないようにProxy利用しているよ」
「Proxy使わないとIPアドレスわかっちゃうじゃん」
友達に聞くと、こんな答えが返ってきます。
Proxyって初めて聞いた方、上の会話から何となくProxyがどんな時にみんなが使っているものだかわかりましたか?
『わからないよという方』
→大丈夫、このコラムでだいたいがわかるように説明していきます。
『わかるよ〜』
→インターネットを始めてからどの位の時期に、知ることになったんでしょうか?まだインターネットをはじめて間もない方であれば、積極的に掲示板を利用している人かもしれませんね。
Proxyの説明
Proxyと呼ぶものは本来は『Proxy(代理)サーバー』を略したものです。
ちょっと簡単に下の略図で見てみましょう。
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サイトAの情報くれ
→ |
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←
じゃあサイトのデータ送るよ |
サイトAを見たいよ |
↑↓ |
Proxyサーバーにあるデータ送るよ |
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WWWサーバーにはサイトAのページのデータが保存されています。通常なら、あなたのPCはWWWサーバーに『サイトAを見たいよ。URLはコレだからデータ送って』という命令を出して、データを引き出し、ブラウザといわれるソフトでサイトの閲覧をしています。
ところが、上の図を見てみてください。WWWサーバーには直接アクセスしていませんよね。Proxy(代理)サーバーからデータをもらっています。Proxy(代理)サーバーを利用すれば、直接WWWサーバーにアクセスしなくてもデータを受け取ることができるんです。
例えば
あなた以外の他の人があなたの次に『サイトAを見たいよ。URLはコレだからデータ送って』と命令をProxy(代理)サーバーに出したとします。そうするとProxy(代理)サーバーはどうするでしょうか?
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さっきデータをもらってきたサイトと同じだな。WWWサーバーにリクエスト出さなくてもデータあるぞ。
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サイトAを見たい |
↑↓ |
Proxyサーバーにあるデータ送るよ |
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すでにあなたがProxy(代理)サーバーを利用して、Proxy(代理)サーバー内にデータが保存されているので、次から来た人はすぐにサイトを見ることが出来ます。
どこに一体メリットがあるんでしょう?
人気サイトやサーバーが重いサイト(最近はあまりありませんが)だと、なかなかサイトが表示されません。これは、いろんなPCが同時に『ページを見せてくれ』などの命令を出しているので、サーバーが混雑しているような状態になっているからです。
そんな時Proxy(代理)サーバーなら、データを保存してあるので、人気サイトもストレスなくページを見て回ることが出来るんです。ブロードバンドが普及していない時期には、とても重宝しました。『ネットワークの負担を軽くできる』これが、Proxy(代理)サーバーの最大のメリットです。
最初の友達の会話と関係ないじゃん
そのとおりですね。
ここから説明する使用方法しか知らない方もいるかもしれません。ではみなさん、説明の前に上の図をちょっとじっくり見てください。それから、説明を読み進めてみて下さい。
「個人が特定されないようにProxy利用しているよ」
「Proxy使わないとIPアドレスわかっちゃうじゃん」
何となく図を見ていると、わかってきませんか?
そうです。直接WWWサーバーに接続していないので、WWWサーバー側にはProxy(代理)サーバーのアクセス情報しか残りません。ということは、Proxy(代理)サーバーを利用することで、直接の身元がわからないということになります。掲示板の書き込みでもサイトのアクセスログにも『あなたのPC情報ではなくProxy(代理)サーバー情報が残ります』
自分の情報ではなく、Proxy(代理)サーバー情報が残る
それで上のような会話をしていたんですね。
よく掲示板で
「名前変えてるけど、さっき書き込みした奴だろ」
「出入り禁止にします」
などの発言を見ますが、これは
自分のPCからどんな情報が流れているの?で説明したPCのIPアドレスなどから、判断している場合がほとんどです。
友達の場合は、別に悪さをするのではないのですが、IPアドレスがわかることで嫌がらせなど受けるのが嫌で、Proxyの利用をしています。この場合は、『ネットワークの負担を軽くできる』という機能は全く必要としていません。ただ単に身元を隠す為だけに使っているということになります。本来の使われ方より、この友達のような使い方をする人の方が多いかもしれません。
Proxyの役割やみんなの使い方は、だいたいわかりましたか?
えっ、私ですか?
私は面倒なので使っていません。
IPを隠さなければ訪問できないサイトには行っていないので。
Proxyのデメリット:ネットワークの負担を軽くできる
自分のリクエストのWWWサーバーより、さらに遠い場合(自分のPCから)は、かえって表示が遅くなります。
- 古いデータしか見られないと思っている人もいますが、ブラウザのリロード(更新)ボタンを押せば、WWWサーバーに新しい情報をProxyサーバーが取りに行ってくれます。
- Proxy(代理)サーバーはネット上に数多くありますが、人気サイトの場合はそれぞれのProxy(代理)サーバーでURLリクエストしている人がいる可能性が高いので、ストレスなく見られる可能性が高かったということです。もちろん、利用するProxy(代理)サーバーで見たいサイトが誰も閲覧していない状態なら、代理サーバーでデータを取ってくるのもWWWサーバーに直接つなぐのも同じことになります。かえってWWWサーバーの方が早い場合もあります。
Proxyのデメリット:身元隠し
Proxyを探すのに一苦労。使えるProxy(代理)サーバーは数少ない。
- Proxyはネットワーク上にあり、たくさん存在します。企業のProxy(代理)サーバーでも、デフォルトで何の設定もされていなければ、外部の者も使用できる設定になっていることがあります。ただ、このような場合は、管理者がすぐに設定を変えるので、あっという間に使用できなくなります。デフォルトのままの状態でいる間のみ有効な状態です。・・・使っても良いかどうかは別問題です。
- Proxyにもいろいろあり、身元が完全に隠せるものからProxyを通したメリットもない位、自分の情報を丸出しのProxyまであります。Proxyを使ったからといって、自分のすべてを隠したことにはなりません。
- 身元が完全に隠せるProxyを使ったからといって、自分の行いのすべてを隠せません。Proxyサーバーにログの問い合わせをすれば、Proxy経由でサイトに来た人の特定ができます。
- Proxyは多段と呼ばれる何重にも組み合わせて使う方法も可能です。
- 多段なら身元が完全に隠せるか→ログをたどれば誰か特定できます。(よほど問い合わせも無理なような聞いたことのない国のサーバー経由とかでなければ)
- デメリットの代表格:Proxy経由だと書き込みできない掲示板が多数です。というよりProxy経由だと、書き込みできない掲示板の方が多いかもしれません。
- Proxyの俗称はプロクシ・プロ串・串などとも呼ばれています。あっ、それなら聞いたことあるという人もいるかもしれませんね。
気がついたら、ものすごく長いページになってしまいました。
長いインターネット生活の中で、絶対に出てくる言葉なので覚えておけば、なるほどねと思うこともあると思いますよ。あなたがサイト管理者なら、絶対に覚えておきましょう!
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